CLASSIC CAMERA番外編2
Pen F三兄弟 大脇 直
Pen F使いになりたくて
最近めずらしいPen Fメディカル仕様を手に入れた。
最初に手に入れたのはFTブラックで、会社の同僚が、私のクラシックカメラ収集の趣味を知り、父親が昔使っていたカメラだけど興味ないかと、数台の古いカメラを持ってきた。その中に何とPen FTが！ しかもブラック！ あまり興奮するとそれを見透かされて高値を言われそうで、心を落着かせてから、欲しいカメラを指名し、良心的な価格で買い取った。
当然、その中にFTブラックも含まれていたが、程度は残念ながらだいぶ悪く、レンズのヘリコイドも固まってスムーズに動かない。でも貴重なFTブラックなので何とかしてもらおうと、カメラ修理の駆け込み寺のカメラサービス鹿児島へ直行。
露出計も壊れており、ファインダーも非常に暗く、露出計を外せば多少ファインダーは明るくなると、何かの本に記述があったので、オーバーホールの際にその様にしてもらいとても見やすくなった。
Pen Fが欲しかった理由
Pen Fには以前から憧れがあった。まづ、①ハーフ判唯一の一眼レフである事 ②ペンタ部の出っ張りがなくフラットなデザイン ③デザインも含めて名設計者「米谷美久」さんの作品である事。(Pen,OM-1,XAを使ってみてその良さを実感）などがあげられる。その他、カメラ関係の本ではいつも絶賛されており、よく見かけるのは女性の芸能人の方が所持していて、紹介されている記事（大塚寧々さん、KIKIさんなど）をよく目にしたことも、興味を持った理由の一つかもしれない。
２台目のPen F
ブラックボデイのFTは使い心地も最高で、子気味よいシャッター音がたまらない。数年使ってみて、これは一生使い続けたいカメラだと思い２台目のシルバーのFTを入手した。 このボディはプロの方が使っていたのではと思われ、フイルムガイドの部分にギザギザの切り込みが入れてある。プロは大量にラボに出すので、他人のフイルムとの混入を防ぐ為、フィルムのパーレーションにこの切り込みが写ることで、区別をしていたらしい。
そして3台目のPen F
最近手に入れた、3台目のPen Fはメディカル仕様の非常にめずらしいボディで、残念なのはペンタ部（フラットではあるが）に３箇所ハンダ付けの跡がある事。多分前の持ち主がアクセサリーシューを後付けしたものと思われる。それから、見た目はFTだけどセルフタイマーも「F」の花文字も、露出計もない不思議なPen Fなのです。メディカル仕様なので病院で使われたと思われるが、どんな使い方だったのかとても気になるし、それから各種資料によると、学校用にコピースタンドとセットで販売されたブラックボディのPen FBなるボディもあったらしい。メデイカル仕様と同じくカタログには掲載されていないので、最後に手に入れたいのはやはりこの「FB」でしょうか。
作例はすべて二コマを１枚にプリント。パーレーションに目印のギザギザがあるので、２台目のPen FTで
撮影したもの。確かに目印があると機種の特定に便利
本人プロフィール
以前、印刷会社に勤務していた関係でCLASSIC CAMERAの編集を担当。
今では、これをライフワークと思って出来る限り続けていきたいと思っている。
カメラプロフィール
左からPen FT
Pen Fメディカル仕様
Pen FTブラック
